妊娠中は赤ちゃんのためにも歯周病の治療を
妊娠中は、体の抵抗力が低下したり、つわりで歯磨きがしづらくなったりと、歯周病を悪化させることの多い時期です。
実は、歯周病の炎症で出現するプロスタグランジンなどの物質は、胎盤に影響を及ぼすことが分かっています。歯周病をそのままにしておくと、赤ちゃんが小さく産まれたり、早産になったりするリスクが高まると言われています。
早産・低体重児出産の割合が、歯周病と診断されて治療を受けた妊婦さんは7.5%なのに対し、治療を受けなかった妊婦さんは79%と、10倍おこりやすいことが報告されています。
妊娠中も歯科治療は可能です
妊娠中の方でも、安定期の妊娠中期(5ヶ月から7ヶ月)であれば、通常の歯科治療は可能です。お口のトラブルが気になる方は、まずはご相談ください。
歯科医院で行われるレントゲン撮影は、性腺・子宮から離れているので、胎児への放射線の影響はほとんどありません。
レントゲン撮影には放射線を 1/100 程度に減弱させる効果のある防護エプロンを使用しますので、ご安心ください。
妊娠期に起こりがちな口の中の異常
妊娠性エプーリス
歯と歯の間の歯肉が腫れて、触ると痛みがあったり、出血することがあります。これは、妊娠性エプーリスと呼ばれる良性の腫れもので、ほとんどの場合は出産後に自然に消えていきます。
口内炎や口角炎
妊娠中は、ビタミンやミネラルが不足しがちになるため、口内炎ができたり、口唇の端がただれたりします。予防のために栄養バランスのよい食生活を心がけま しょう。
つわりの時の歯みがきのポイント
「つわりで歯磨きがつらい」という方は次のような工夫をしてみてください。
- 調子が良いタイミングで歯磨きをする。
- 歯ブラシのヘッドを小さいものに変えてみる。
- 歯磨きの代わりにデンタルリンスでうがいをしてみる。
- 歯間ブラシ・デンタルフロスなどを使ってみる。
注意点として、夜寝る前だけはできるだけ歯みがきをするように心がけることが大切です。睡眠中は唾液の分泌量が減ってしまうため、お口の中の細菌が増えやすくなり歯周病などのリスクが高まるからです。
妊娠中は、お口のトラブルが起きやすい時期なので、バランスの良い食事とデンタルケアが大切です。
歯周病など気になることがある方はお気軽にご相談ください。