赤ちゃんのお口の発達はお腹の中にいる時から始まっています。そして、遺伝だけでなく生まれてからの後天的要因にも大きく影響を受けます。
赤ちゃんの口腔機能発達のために気をつけたいポイント
1. 正しい姿勢で座ることが大切!
ソファーに深く座ったり、猫背の姿勢を長時間続けると、お母さんの体に負担がかかります。子宮が圧迫されてお腹が張ったり、便秘や尿漏れの原因になることも。また、赤ちゃんもお腹の中で自由に動けず、圧迫されて苦しくなることがあります。
安産と赤ちゃんの健康のために、姿勢を意識しましょう!
- ソファーは浅く座る
- デスクワークでは猫背にならないように注意する
2. 適度な運動を心がけましょう!
無理のない範囲で、お散歩やマタニティーヨガなどの軽い運動を取り入れましょう。お母さんが体を動かすことで、子宮まわりの筋肉が鍛えられ、赤ちゃんがリラックスしてお腹の中で自然な姿勢をとれるようになります。赤ちゃんがお腹の中でまあーるくなることで、授乳の練習もうまくできるようになります!
3. 生後4カ月までは横抱っこがおすすめ!
赤ちゃんの首がしっかりすわるまでは、横抱っこを心がけましょう。縦抱っこ紐を長時間使うと、顎の成長に影響を与える可能性があります。
縦抱っこ紐を使用する際のポイント
- 赤ちゃんの首がしっかりすわってから使う
- 首がのけぞらないようにしっかりサポートする
- 使用後はベビーマッサージで首や背中をやさしくほぐす
4. 授乳時は乳輪までしっかり咥えさせましょう!
赤ちゃんが深く咥えることで、全身運動になり、首がすわり、体幹が鍛えられ、顎の発達にもつながります。哺乳瓶の場合も同じように深く咥えさせることが大切です。
授乳時の時のポイント
- 乳輪まで深く咥えさせる
- 上唇を巻き込まないように注意(巻き込んでしまったら指でめくる)
5. 授乳時間を意識しましょう!
母乳の場合、左右それぞれ15~20分が平均的な授乳時間です。哺乳瓶での授乳も、同程度の時間をかけられる商品を選ぶことがおすすめです。
ミルクを早飲みしすぎると、口のトレーニングにならず、丸飲みのクセがついてしまいます。その結果、口の機能がうまく発達せず、顎の成長が妨げられる可能性があります。


首がすわる前の新生児の抱っこ
赤ちゃんの首がしっかりすわるまで(生後4~5ヶ月頃)は、首や頭に負担がかからないようにするため、横抱きを基本にして抱っこすることが大切です。
首がすわる前の赤ちゃんは頭が不安定でグラグラしやすいため、抱っこする際はもちろん、普段の扱いでも首に負担をかけないよう注意しましょう。
横抱きは、安全に赤ちゃんを支えるのに適した方法です。大人の腕で後頭部と首をしっかり支えられるため、赤ちゃんの安定感が増します。
また、正面から抱き上げると首が安定しにくいことがありますが、横抱きならスムーズに抱き上げることができます。さらに、横抱きにすることで赤ちゃんの手足が自然とまとまり、安心感を得やすくなります。

横抱き抱っこの手順
「抱っこするよ~」と優しく声をかけます。赤ちゃんの足をそっと持ち上げ、背骨がふわっと丸くなるように動かします。これを3回程度繰り返し、ウォーミングアップをしましょう。
そっと手を取り、赤ちゃんの口元へ持っていきます。これは赤ちゃんが安心する動作です。
首、後頭部、肩甲骨あたりに手を添えます。赤ちゃんを自分の方に少し傾けるようにしましょう。
自分の体を赤ちゃんに近づけます。大人の二の腕に赤ちゃんの耳が触れるくらいの位置まで腕を差し入れます。前腕に赤ちゃんの後頭部から首、肩甲骨の部分をのせるようにします。
反対の手を赤ちゃんの膝裏あたりに差し入れます。顔を見ながら、赤ちゃんがびっくりしないように、ゆっくりと抱き上げましょう。
赤ちゃんに「気持ちいいかな?」と話しかけながら、位置を少しずつ調整して、お互いに心地よい抱っこの形を見つけましょう。
首がすわる前だけど、外の世界に興味を持ち始めた頃の抱っこ
赤ちゃんの首がしっかりすわるまでには4~5ヶ月ほどかかります。成長が進むと、腹ばいの状態で上半身を持ち上げ、肘で支えながら周囲を見渡せるようになります。
これは首がすわり始め、首から肩・腕の筋力がついてきた証拠です。
「横抱きだと寝てくれない」という悩みを聞くことがありますが、周囲に興味を持ち始めた赤ちゃんなら、少し上半身を起こした姿勢の抱っこを気に入るかもしれません。
この抱き方では、赤ちゃんが安心するだけでなく、親子の距離がぐっと縮まり、落ち着くという声も多く聞かれます。

横向き抱っこのポイント
- 赤ちゃんの頭の位置を安定させる
腕の付け根と胸の間のくぼみを利用して、赤ちゃんの後頭部の丸みにぴったりフィットする位置を見つけましょう。 - 視界を確保してあげる
赤ちゃんの上半身を少し起こすことで、周囲を見渡しやすくなり、首を自由に動かせるようになります。 - 左右を入れ替えながら抱く
同じ向きばかりで抱っこせず、ときどき左右を変えることで、手や目の動きの発達を促します。 - お尻の位置を安定させる
赤ちゃんのお尻が大人の手を組んだところにしっかり収まり、少し沈むくらいの位置にすると、安定して安心感が増します。
赤ちゃんと心地よい抱っこの形を見つけよう!
赤ちゃんが心地よく感じる姿勢は一人ひとり違います。抱っこしながら「気持ちいいかな?」と声をかけて、お互いにしっくりくるポジションを探してみましょう。
首がすわりはじめた頃の抱っこ
赤ちゃんが両手を口元に持ってくるようになったり、腹ばいで少し頭を持ち上げられるようになると、視界が広がり、周囲への興味もどんどん増していきます。
この時期には、大人と同じ方向を向く前向き抱っこを取り入れるのもおすすめです。
赤ちゃんにとって、大人と一緒に周囲の景色を楽しめる前向き抱っこは、好奇心を満たす楽しい時間になります。首や肩まわりの筋肉が発達し、少しずつ自分の頭を支えられるようになってきたら、大人の胸に上半身を預けるスタイルの抱っこが適しています。
この抱き方なら、赤ちゃんは頭を自由に動かしながら、周りの様子を観察できるようになります。

前向き抱っこのポイント
- 肩甲骨から後頭部をしっかり密着させる
大人の胸で頭を支えることで、赤ちゃんは安定して首を動かしながらキョロキョロできます。 - 腰から下を丸くする姿勢を意識する
膝の裏に腕を添えながら、お尻の穴が前を向くように抱っこすると、赤ちゃんの視界が広がります。この姿勢なら、大人と同じものが見えるため、ご機嫌になりやすいです。 - 腕全体を使って支える
手のひらだけでお尻を支えると、手首に負担がかかることがあります。大人の体と腕全体で赤ちゃんを包み込むように支えると、安定感が増し、抱っこする側も楽になります。
ひとり座りができる頃の抱っこ
赤ちゃんの体幹がしっかり発達すると、大人が上半身を支える必要がなくなり、抱っこがより安定します。ただし、赤ちゃんが動き出すときや眠ったときは、安全のためにしっかり支えてあげることが大切です。
ハイハイができるようになり、ひとり座りができるようになると、下半身の筋肉も発達し、上半身からお尻あたりまでは大人の支えがなくても安定します。
この時期の縦抱っこでは、赤ちゃんが大人の腕をブランコのように腰掛ける形が理想的です。膝裏と腰から下をしっかり支えることで、赤ちゃんも安定し、大人の負担も軽減されます。

安定した抱っこのポイント
- 腰から下をしっかり支える
首がすわった後も、ふいに動いたときの衝撃でバランスを崩さないよう、腰から下をしっかり支えることが重要です。抱っこしながら歩くときは、後頭部や首のサポートも意識しましょう。 - 足の力を使ってしがみつかせる
抱っこされた赤ちゃんの足は、ブランとさせず、大人の胴体に巻きつくような姿勢がベストです。膝を曲げて足の力を使うことで、赤ちゃん自身がしっかり安定し、大人の負担も軽減されます。 - 大人の肘を直角に曲げる
赤ちゃんの座骨が大人の前腕にしっかり乗るように、肘を直角に曲げる姿勢を意識しましょう。手首が肘より下がると、肩や手首に負担がかかりやすいので注意が必要です。