新型コロナウイルス感染症対策について
私たち歯科医療現場では多くの患者様のお口の中を扱います。そのため、新型コロナが注目される以前から肝炎ウイルスやHIV、ノロウィルスなどの感染症の対策を行ってきました。そのため、歯医者は感染リスクが高いと思われることが多いかもしれませんが、もとも標準予防策が徹底された現場です。
当医院では、コロナ禍にあってより一層の予防策を講じるためさらに下記の対策を行っております。
診療室内のエアロゾル対策
- 患者様の口から放出される液滴とエアロゾルの分散を防ぐために、口腔内での歯科用バキュームの使用。
- 口腔外バキュームを全診療室に設置。
- エアタービン、ハンドピース、超音波スケーラーなどの使用時に放出される水量について意識を向け、始業点検時、診療時などこまめにチェック、調整をします。
- 患者さん毎に、治療前後にハンドピース内の水を放出し、ユニット内の水を常に清潔な状態に保っています。
- ハンドピースから放出される水は、衛生的に管理された水を使用し専用のボトルから使用するタイプのものを設置しております。
手袋、ゴーグルまたはフェイスシールドの使用
- 手袋は患者様ごとに交換します。
- 治療前後(手袋の装着前後)には、手指衛生(手洗い、手指消毒)を徹底します。
- 手袋を外したあとは、必ず手指消毒を行います。
- ゴーグルまたはフェイスシールドを装着します。
- 手袋などの個人防護具を外す際には、それらにより環境を汚染しないよう留意しながら外し、所定の場所に廃棄します。
歯科用ユニット、周囲、その他接触部位の消毒
- 新型コロナウイルスは、エンベロープを有するためアルコールにより不活化します。また、環境消毒には次亜塩素酸ナトリウム水溶液も用いることができます。有効性を高めるために アルコールは60%以上、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は0.05%の濃度が推奨されています。
- ドアノブなど患者が触れた部位および触れた可能性のある高頻度接触部位に対しては、抗ウイルス作用のある消毒剤を含有させたクロスを用いての清拭します。
- 次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、ユニット内部や設備品に錆が生じて故障の原因になることもあるので、水拭きをすることも大切です。また、食品用ラップやアルミホイルを利用して治療時の接触部位にラッピングを行うことも有効とされています。
- ユニット周りだけでなく、レセプトコンピューターなどの周辺機器も清拭します。
- トイレは定期にドアノブ、便座、流しハンドルなどを清拭します。
器具の滅菌・消毒
- 滅菌器は従来の滅菌器より効果の強いヨーロッパ規格EN13060で最高基準であるクラスBを使用。
- 各ハンドピース類は、確実に洗浄するため自動洗浄・注油システムを使用し、クラスB滅菌器による個別滅菌。
- インプラント手術や観血的処置に使用するインスルメント(器具)、シリコン製のチューブ類もクラスB滅菌器では完全に滅菌することが可能です。
印象材、技工物等の消毒
- アルジネート印象材はラバー系印象材よりも口腔内微生物が付着しやすく、アルジネート印象材では、120秒以上、シリコーン印象材で30秒以上の水洗が推奨されています。
- アルジネート印象材に付着した微生物は、印象材から石膏模型に容易に伝播しますので、石膏を注入する前に消毒することが勧められています。
- 0.1~1.0%次亜塩素酸ナトリウム溶液で15~30分、2~3.5%グルタラール(グルタルアルデヒド)溶液で30~60分浸漬する方法があります。
- 完成した技工物の消毒には、逆性石けんによる洗浄、次亜塩素酸系消毒薬への浸漬、エタノールによる清拭・噴霧、紫外線照射などの方法があります。
X線撮影について
- 嘔吐反射の強い患者、喘息や呼吸器疾患がある患者など、咳やむせなどの飛沫が発生するリスクが高いと考えられる患者については、口内撮影法を避け、可能な場合は口外撮影法を検討することも必要と考えます。
患者様の健康管理(体調、体温、味覚・嗅覚の異常など)
診療の際に、体調、味覚・嗅覚の異常の有無について尋ねることと体温チェックをします。
治療前後の口、喉のうがい
治療の前後、患者様にはうがいをしていただきます。
「密集・密接」の回避
- 待合室密集回避のため、可能な限り予約間隔や使⽤ユニットの調整を行います。
- 患者様には予約時間遵守をお願いし、待合室の⼈数をできる限り少なくして「密集、密接」を回避します。
「密閉」の回避:換気
- 定期的な窓開けなどによる換気を徹底します。
- オゾン空気清浄機を使用します。
受付環境(サージカルマスクの装着)
- 受付はサージカルマスクを装着します。
- 患者様には、治療行為以外の時間は原則的にマスクを装着していただきます。
手指消毒の徹底
●患者様来院時の手洗い、手指消毒にご協力いただきます。
スタッフの体調管理
- 毎日の体温測定とその記録を行います。
- 倦怠感などの症状があれば自宅待機を考慮します。
スタッフルーム内での注意事項
院内クラスター発生を予防するために、それぞれの診療所に応じた対策が大切です。
- 対面での食事はしない。
- 密接状態での会話はしない。
- 適切な診療着の着脱や交換管理をします。
- 診療室、待合室のみでなくスタッフルームの換気もおこないます。