虫歯治療｜詰め物の種類とメリット・デメリット

歯医者さんに通われる方は、最初の診療時に「保険診療のみ」にチェックを入れる方がほとんどではないでしょうか？

そんな感じで「まずは保険診療で」という方が多いと思います。

私も歯医者の先生の威圧的な感じがとても苦手で、子どもの頃は歯医者さんが大嫌いでした・笑

なので、歯科医師になった現在、患者さんにはできるだけご自身の気持ちを話しやすい雰囲気を作ることを大事にしています。

話が脱線してしまいましたが、今日お話させていただきたいのは、健康な歯をより長持ちさせるということを考えたときに保険適用の材料には限界もありますというお話です。

今まで保険適用の治療だけを受けてきた方で、「将来のことを考えて歯の健康にはもっと気を使っていきたい」という方がいらっしゃったら、ぜひこの記事を参考になさってください。

歯医者に通うのは虫歯のケースが多いと思いますので、ここでは詰め物にテーマをしぼってお話させていただきます。

保険で使われる材料は２つ

保険適用で虫歯の治療などをした場合に、使われる詰め物としては主に２つの材料があります。

白い詰め物は「プラスチック（レジン）」

虫歯の治療が終わったときに処置される白い詰め物の正体はプラスチックです。

プラスチックは身近な素材なのでみなさんもご存知だと思います。

費用が安いという点と、白くて見た目の違和感があまりないというのがメリットです。

一方で、プラスチックなので耐久性には欠けていますし、変色しやすいというデメリットがあります。

特に、噛み合わせに問題があり、治療をした歯に負荷がかかってしまうケースだとプラスチックの詰め物は不向きの場合があります。

また、虫歯で削る範囲が広いときは、耐久性の問題からプラスチックが使えないときもあります。

そんなときに、もう一つの選択肢として使われるのが、次にご紹介する銀歯の詰め物です。

耐久性のある「銀歯（メタル）」

銀歯は金属なのでプラスチックと比べて耐久性があるというのが一番のメリットです。

一方で、いかにも治療をしたのが分かるので「銀歯はちょっと・・・」という方もいらっしゃると思います。

また、金属なので金属アレルギーを発症するリスクがあるというデメリットもあります。

それから、意外と知られていないことですが、銀歯は治療後に虫歯が再発しやすいという欠点が実はあるんです。

銀歯が虫歯になりやすい理由

なぜ銀歯は虫歯になりやすいかというと、銀歯そのものは歯に密着してくれないためセメントを使って接着するからなんです。

銀歯と歯を接着しているセメントは年月とともに溶け出してしまうため、やがて銀歯と歯との間に隙間が生じて、そこが虫歯になってしまうリスクが高くなります。

以上の理由から保険適用の詰め物の場合、耐久性の問題、虫歯が再発するリスクなどがあり、「健康な歯を長持ちさせる」という観点でいうと十分でないというのが実情です。

もちろん、保険適用の詰め物を選んでいただくこと自体は構わないのですが、このようなデメリットを把握した上で、定期的に歯医者さんには通っていただきたいと考えています。

そして、もしもこのような問題を解消し、より健康な歯を長持ちさせたいという方は、次にご紹介する自由診療による詰め物というのも選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか？

自由診療を使った詰め物「セラミック」

現代の歯科治療では最も優れた材料の一つと言われているがセラミックです。

セラミックは前歯など、見た目が気になる部分にも使用されるくらい、天然歯のような透明感のある白さが表現できるのが特徴です。

さらに、患者様の歯の色合いに馴染むよう色の調整も可能なので、自分の歯とほとんど区別がつかないくらいの仕上がりにすることも可能です。

また、「セラミック＝陶器」でできているので強度や耐久性の面でも優れています。

先ほど、「銀歯は虫歯の再発リスクがある」というお話をさせていただきましたが、セラミックは再発リスクが低いというのもメリットの１つです。

その理由は２つあります。

表面がツルツルしているのでプラークが付着しにくい

セラミックは陶器と同じように表面がツルツルしています。

そのため、虫歯の原因となるプラークが付着しにくく、清潔な状態を維持しやすいという特徴があります。

隙間が生じにくい

セラミックの詰め物は緻密に製作することができ誤差が生じにくいので、歯の隙間にピッタリと合わせることができます。

また、接着力も強く年月が経過しても剥がれにくいため、虫歯菌が入り込む隙間が生じにくいという特徴があります。

以上の理由からセラミックの詰め物は見た目の審美性、強度、耐久性において、現在のところもっとも優れた材料の１つとなっています。

セラミックと一言でいってもいろんな種類がありますので、治療内容や患者様のご希望によっていろいろ選択もできます。

今まで虫歯の治療は保険でおこなってきたという方も、もしご興味がありましたらお気軽にご相談ください。

できるだけ患者様のご意向に合わせて、ご提案させていただきます。