「丁寧に歯磨きをしているのに、定期検診で虫歯が見つかった」
「特に痛みもなかったのに、いきなり大きな虫歯になっていた」

そんな経験をされた40代〜60代の方が増えています。

近年、子どもの虫歯は減少傾向にある一方で、中年世代の虫歯はむしろ増えているという報道もあります。その背景にあるのが、若い頃に治療した詰め物や銀歯の下で静かに進行する「大人ならではの虫歯」です。

これは、どれだけ丁寧に歯ブラシを使っても、ご自身のケアだけでは防ぎきれない種類の虫歯でもあります。今回は、なぜ中年世代に虫歯が増えているのか、そしてその予防にはどのような選択肢があるのかについてお伝えします。

丁寧な歯磨きでも防げない「大人の虫歯」が増えている

子どもの虫歯が減少している背景には、フッ素入り歯磨き粉の普及や歯科予防教育の浸透があると言われています。一方で、40代以降の中年世代では、若い頃に虫歯治療を受けた経験のある方が多く、そのときに入れた詰め物や銀歯の下から新たな虫歯が発生するケースが増えています。

これを歯科では「二次う蝕(にじうしょく)」または「二次カリエス」と呼びます。一度治療した歯が再び虫歯になる状態のことです。

ある研究では、人が30年の間にかかる虫歯のうち、その多くが二次う蝕であるという報告もあります。つまり、大人になってからの虫歯の多くは、新しくできた虫歯ではなく、過去に治療した歯の「再発」なのです。

ご本人がどれだけ丁寧にブラッシングをしていても、二次う蝕は防ぎきれないケースが少なくありません。なぜなら、虫歯が進行している場所が、歯ブラシでは届かない「詰め物の内側」だからです。

詰め物の下で進行する虫歯は気づきにくい

二次う蝕の最大の特徴は、自覚症状が出にくいことです。

通常、虫歯が進行すると冷たいものがしみたり、噛んだときに痛みを感じたりします。しかし二次う蝕は、詰め物や銀歯に覆われた内側で進行するため、外側からは見えず、痛みなどの症状が現れにくい傾向があります。

さらに、神経を抜く治療を過去に受けている歯の場合、そもそも痛みを感じる神経がありません。この場合、虫歯が進行しても自覚することはほとんどなく、気づいた頃には歯の根まで虫歯が達していることもあります。

そのため、「痛くなったら歯医者に行く」というスタイルでは、二次う蝕の発見が遅れてしまう可能性が高いのです。

詰め物と歯の間にできる「すき間」が虫歯の入り口になる

なぜ詰め物の下で虫歯が進行してしまうのでしょうか?原因は、詰め物と歯の間にできる目に見えないほどのすき間にあります。

詰め物を入れた直後は、歯としっかり密着しています。しかし長い年月の中で、以下のような変化が起こります。

  • 詰め物と歯を接着しているセメントが、唾液や飲食物の影響で少しずつ溶け出す
  • 詰め物自体が、噛み合わせの圧力によってわずかに変形したり、摩耗したりする
  • 歯と詰め物の境目に、目に見えないほどの段差やすき間が生じる

このわずかなすき間に、食べカスや細菌が入り込みます。歯ブラシの毛先よりもはるかに小さいすき間のため、どれだけ丁寧にブラッシングをしても、その内部を清掃することはできません。

こうして、詰め物の内側で虫歯菌が活動を続け、ゆっくりと歯を溶かしていきます。これが、丁寧な歯磨きをしていても二次う蝕が防ぎにくい理由です。

「保険診療」の銀歯・詰め物には「寿命」がある

虫歯治療を受けた歯は、治療によって「治った」と感じやすいものです。しかし正確には、虫歯を取り除いて人工物で補った状態であり、その人工物にも使用に伴う寿命があります。

保険診療で使われる代表的な詰め物の素材には、以下のようなものがあります。

  • 銀歯(金銀パラジウム合金)
    強度はあるものの、金属のため口の中で少しずつ変形・摩耗し、経年でセメントが劣化するとすき間が生じやすい
  • コンポジットレジン(白いプラスチック素材)
    比較的軽度の虫歯に使われる素材で、時間の経過とともに変色や摩耗が起こりやすい

また、保険診療では使用できる材料や治療にかけられる時間に制約があります。型取りに使われる素材も、変形しやすい特性のあるものが使われることが多く、詰め物と歯の適合精度に限界が生じやすいと言われています。

これは保険診療の詰め物が悪いというわけではなく、限られた条件の中で機能を果たすための治療です。そのため、「一度治療したから一生大丈夫」とは言えません。保険診療は、年月の経過とともに再治療が必要になる可能性があることは知っておいていただきたいポイントです。

自由診療の詰め物で虫歯の再発リスクを軽減

二次う蝕のリスクをできる限り抑えたい方には、自由診療の詰め物という選択肢もあります。代表的な素材としては、セラミックやジルコニアなどがあります。

自由診療の詰め物には、保険診療と異なる以下のような特徴があります。

  • 精密な型取りができる
    自由診療では、シリコン素材を使った型取りや、デジタル機器を使った光学印象が可能です。これらの方法は変形が少なく、より歯の形に忠実な型を取ることができるため、詰め物と歯の境目のすき間を小さく抑えることが期待できます。
  • 素材自体が劣化しにくい
    セラミックは経年劣化が起こりにくく、長期間にわたって形状や精度を保ちやすいと言われています。また、表面が滑らかなため、汚れや細菌が付着しにくい性質があります。
  • 歯との適合性が高い
    セラミックは歯としっかり接着できるため、詰め物と歯の境目にすき間や段差が生じにくく、二次う蝕のリスクを抑えることが期待できます。

ただし、自由診療には保険適用外のため費用がかかること、セラミックは強い衝撃で割れる可能性があることなど、検討すべき点もあります。患者様お一人お一人のお口の状態やご希望に合わせて、どの選択肢が適しているかをご相談しながら決めていくことが大切です。

定期的な歯科受診で虫歯を早期発見しよう

詰め物の素材選びと並んで大切なのが、定期的に歯科医院でチェックを受けることです。

二次う蝕は、ご自身では気づきにくい場所で進行します。鏡で見ても、詰め物の内側までは確認できません。しかし、歯科医院ではレントゲン検査や専用の器具を使うことで、外からは見えない部分の異変を早い段階で確認できる可能性があります。

定期的な歯科受診には、以下のようなメリットが期待できます。

  • 詰め物と歯の間にすき間が生じていないかを確認できる
  • 初期段階の虫歯を早期に発見できる可能性がある
  • 詰め物の劣化具合をチェックし、必要に応じて適切なタイミングで対応できる
  • 歯石やプラークなど、自分では落としきれない汚れを除去できる

特に、過去に虫歯治療を受けて詰め物や銀歯が入っている方は、自覚症状がなくても定期的にチェックを受けることで、大きなトラブルになる前に対処できる可能性が高まります。

毎日の歯磨きと、定期的なプロの目によるチェック。この2つを組み合わせることが、大人の歯を長く守るための現実的な方法と言えます。

詰め物の下の虫歯が心配な方はご相談ください

「昔入れた銀歯に違和感がある」「もう何年も歯科医院に行っていない」

そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。

北村総合歯科では、患者様お一人お一人に時間をかけた丁寧な検査とご説明を心がけており、現在のお口の状態を正確に把握したうえで、ご希望に合った治療や予防のご提案をしています。詰め物の選択肢についても、保険診療・自由診療それぞれのメリットや特徴を踏まえて一緒に考えていきますので、安心してご来院ください。

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

治療内容と期間

セラミック治療は、歯を削って型取りを行い、見た目と機能を回復するためのセラミック製の補綴物(被せ物・詰め物)を装着する治療です。
通常は2〜3回の通院・1〜3週間程度で完了します(症例によって異なります)。

費用について

内容費用(税込)
ジルコニアクラウン¥121,000
ジルコニアステイニング¥132,000
ジルコボンド¥154,000
ジルコニアインレー¥77,000
e-maxインレー¥77,000

主なリスク・副作用

  • 歯を削る必要があるため、まれに知覚過敏や痛みが生じることがあります。
  • 強い衝撃が加わると、セラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
  • 咬み合わせの変化や歯ぎしりにより補綴物が外れることがあります。
  • 治療後の口腔状態によっては、再治療や調整が必要になる場合があります。

北村英二 院長について

「歯医者は怖い!」―子どもの頃、私もそう思っていました。説明もなく痛い治療はトラウマでした。だからこそ、北村総合歯科では、患者様の不安に寄り添い、丁寧な説明と痛みの少ない治療を大切にしています

日本大学松戸歯学部卒業後、様々な歯科医院での経験を経て2021年に開業。インプラント治療はもちろん、虫歯や歯周病、予防歯科まで幅広く対応し、地域の皆様の歯の健康をサポート。「ここに来てよかった!」と思っていただけるよう、笑顔でお待ちしています。お気軽にご相談ください。