「入れ歯が痛い」「なんとなく合っていない気がする」
そんな違和感を感じながらも、「年齢のせいだから仕方ない」「そのうち慣れるだろう」と放置していませんか?
実はそのままにしていると、将来インプラント治療を受けたいと思ったときに、治療自体が難しくなることがあります。
入れ歯の痛みや不具合の裏には、「あごの骨が少しずつ痩せていっている」という深刻な変化が隠れているかもしれません。
今はまだ大きな問題がなくても、「早めの対処」が将来の治療の選択肢を守るカギとなります。
Contents
入れ歯の痛みや違和感、我慢していませんか?
入れ歯の痛みやズレを感じていても、「まあ、使えるからいいか」「そのうち慣れるだろう」と、そのまま使い続けていませんか?
ですが、こうした違和感は入れ歯が合っていないサインであり、放置するとあごの骨に悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、入れ歯が浮いている部分は骨に適度な刺激が伝わらないため、使わない筋肉が衰えるように、骨も刺激を失って徐々に吸収されていくことがあります。
また、反対に入れ歯が強く当たっている部分では、咬むたびに局所的な力が加わり、その圧力によって骨が痩せてしまうこともあります。
こうした状態を放置すると、入れ歯の不具合がますます悪化し、さらには将来的にインプラント治療を希望しても、骨の状態によって実現できないというリスクも生じます。
「少し気になるな」と感じたときこそ、歯科医院での調整やチェックを受けるタイミングです。
我慢することが、将来の選択肢を狭めてしまうこともある。この事実をぜひ知っておいてください。
入れ歯を使い続けることで「骨が痩せる」という現実
入れ歯を長期間使用していると、あごの骨は少しずつ痩せていきます。これは自然な経過とも言えますが、適切な対処をしなければ、将来的に大きな問題へと発展します。
本来、歯やインプラントがあることで、噛む力があごの骨に適度な刺激を与え、骨の吸収を防ぐ働きがあります。ところが、入れ歯の場合はその刺激が十分に伝わらず、「使われない骨」として徐々にあごの骨が吸収して痩せてしまうのです。
特に下顎の骨は、もともと骨量が少ない上に、神経や血管が通っているため、インプラント治療をする上で、非常にデリケートな部位です。この部分の骨が痩せてしまうと、安全にインプラントを埋め込むスペースが確保できず、治療が困難になることもあります。
骨の痩せ方には個人差があり、自覚症状がほとんどないまま進行してしまうのも厄介な点です。「噛めるから大丈夫」と思っていても、見た目や機能面に大きな影響が出るリスクが静かに進んでいるかもしれません。
骨が痩せると、インプラント治療ができなくなることも
「今は入れ歯だけど、将来的にはインプラントにしたい」と考えている方は少なくないと思います。
でも、インプラントにしようと思った時にはすでに骨が痩せすぎてしまい、治療が難しいケースは珍しくありません。
あごの骨が大きく吸収されてしまうと、インプラントを支えるだけの骨量が確保できず、治療自体が不可能になることがあるからです。
また、仮にインプラントを入れることができた場合でも、骨の痩せによってあごが内側にすぼまってしまい、口元の印象が老けて見えてしまうなど、審美的な問題を考えると、選択肢が限られてしまう場合もあります。
あごの骨が痩せてしまった場合の処置として、骨造成という骨を再生する治療もありますが、もともとの骨の状態によっては思うような形や量まで再生できないこともあります。
要するに、「インプラントをしたくなったらやればいい」と考えていると、その選択肢自体が将来消えてしまう可能性があるということです。
将来インプラントを検討するなら骨の吸収が進む前に対策を
「まだインプラントは考えていないけれど、いつか必要になるかもしれない」
そう思っている方ほど、できるだけ早い段階で行動することが大切です。
骨が十分に残っているうちであれば、理想的な位置と角度でインプラントを埋入できるため、機能面・見た目の両方で満足度の高い治療が可能になります。
逆に、骨が大きく痩せてしまってからでは、安全性や審美性を妥協せざるを得ない治療計画になってしまうこともあります。
将来の選択肢を広げておくためにも、骨の状態を早めに確認し、必要に応じて適切なタイミングでの治療やメンテナンスを検討することが重要です。
「今はまだ困っていないから…」と先延ばしにせず、将来を見据えた一歩を早めに踏み出しておくことが重要です。
こんな方は特に注意
以下のような方は、あごの骨がすでに吸収され始めている可能性があるため、特に注意が必要です。
- 同じ入れ歯を何年も使い続けている
材質や形状の劣化により、フィット感が失われ、骨に不均一な負担がかかるリスクがあります。 - 入れ歯に違和感を感じているけれど我慢している
違和感や痛みを感じる状態は、すでに骨へのダメージが進行している可能性も。 - 歯科医院で定期的な入れ歯の調整やチェックを受けていない
自覚症状がなくても、入れ歯は少しずつ合わなくなっていきます。定期的な診察で早期発見が重要です。
こうした状態を放置すると、気づかないうちに骨が吸収され、将来的にインプラント治療が難しくなるリスクが高まります。
「問題が起きてから行く」のではなく、トラブルを未然に防ぐために歯科医院へ行くことが、何よりも大切です。
入れ歯は定期的なチェックと調整が大切
「何もトラブルがないから歯科に行かなくても大丈夫」と思っていませんか?
実は入れ歯は時間とともに口の中の形と合わなくなっていくため、定期的な調整が必要不可欠です。
入れ歯が合わないまま使用を続けると、一部にだけ強い力が加わり骨が吸収されたり、浮いている部分に刺激が伝わらず骨が痩せるといったことが進行し、あごの骨の形を変えてしまう可能性があります。
また、入れ歯の変形や摩耗によって、当初は合っていた入れ歯も少しずつズレやすくなり、見た目や発音、噛み合わせにも悪影響が出ることがあります。
当院では、入れ歯をご使用中の患者様にも数ヶ月ごとの定期調整をおすすめしています。
これは、痛みや違和感の改善だけでなく、将来インプラント治療を希望された際に、骨の状態が良好なままであるようにサポートするためです。
「まだ困っていないから大丈夫」と思っている今こそ、ぜひ一度ご相談ください。
数年後に「もっと早く相談すればよかった」と後悔しないために、あなたの将来の口元と健康を守るお手伝いを私たちがさせていただきます。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり