
虫歯などで歯が抜けてしまった場合、一般的には保険の治療の場合ブリッジを入れることが多いと思います。
ブリッジは、保険が使えるので安く治療ができるという点でメリットのある治療法ではありますが、反面、年月の経過とともに次のような問題を引き起こすことがあります。
- ブリッジの下に食べものが詰まり歯茎が腫れて痛む
- 食事のときにブリッジがずれたり、噛む時に違和感を感じる。
- ブリッジの隣の歯が冷たいものや熱いものがしみるようになった。
- ブリッジが壊れそうで固いの食べもの避けるようになった。
- 口臭が気になるようになった。
実は、ブリッジの平均寿命は7〜8年と言われていて治療をした後も歯の問題が完全に解決したわけではないという点が問題なのです。
長期的にお口の健康を考えた場合、健康な歯にも問題を引き起こしやすいという意味ではリスクをはらんでいるとも言えます。
ここでは、ブリッジが壊れそうな方、ブリッジの使い心地に違和感を感じているという方に向けて、別の選択肢・治療法についてご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
ブリッジが抱える3つの問題点
冒頭でお伝えしたとおりブリッジの平均寿命は7〜8年と言われています。
この7〜8年の間、ブリッジを入れているお口の中では実はこんな問題が少しずつ進行しているのです。
ブリッジの問題点1:健康な歯に負担をかけている

ブリッジは、抜けてしまった歯のために両隣の健康な歯を削り、その上に冠(クラウン)を被せる治療法です。
健康な歯を削るということ自体、歯にとって大きな負担ではありますが、それだけでなく実質的に2本の歯で3本分の歯の負担を受けているという点にも問題があります。
抜けた歯の部分には噛み合わせによる圧力を支える歯根が存在しないため、ブリッジを支えている2本の歯だけで圧力を受け止めるため負担が集中してしまうのです。
その結果、年月とともに健康だった歯は弱くなり、強い負担によって摩耗や損傷を引き起こすリスクがあります。
ブリッジの問題点2:歯磨きがしずらい
ブリッジは構造上、歯ブラシが行き届きにくいという問題点もあります。
それは下記の2つです。

1. ブリッジ下のスペース
ブリッジの「橋」の部分と歯茎との間には隙間があります。このスペースはブラシでの清掃が難しく、食物の残りやプラークが溜まりやすい場所になっています。
2. 隣接歯とブリッジの接続部
ブリッジと隣接する2本の歯は、セメントで固定されています。この接続部分もプラークや食べ物の残りがたまりやすく、清掃が難しい場所です。
その理由から、ブリッジをしている歯は、他の健康な歯と比べて、プラークや歯石が蓄積しやすく口臭や歯周病のリスクが高いのです。
結果として、ブリッジは支える歯の健康を悪化させるリスクを高めているとも言えます。
ブリッジの問題点3:あごの骨が萎縮してしまう
最後に、ブリッジは天然の歯のようにあごの骨に歯根が接触していないためあごの骨が萎縮する可能性があります。
これは「骨吸収」と呼ばれていて、歯がない部分のあごの骨が自然に減少する現象です。
私たちのあごの骨は、歯が存在し咀嚼(そしゃく)による刺激を受けることで健康を保つことができています
しかし、この刺激がないと骨はその役割を失って徐々に吸収されてしまいます。
ブリッジの場合、失われた歯を補う部分があごの骨と直接接触していないため、この刺激が伝わらず、時間と共にあごの骨が萎縮していきます。
これが結果としてブリッジのフィット感や安定性を損なう原因となっています。
このようにブリッジが抱える根本的な問題を解決する方法としてご紹介したいのがインプラント(自由診療)です。
ブリッジに代わる解決策「インプラント」

インプラントは、抜けた歯のところに直接、人工の歯根をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。
見た目はもちろん、機能的な面でも自分の歯のようになるだけでなく、天然の歯のようにあごの骨に直接インプラントが結合することで、骨の健康を維持する役割も果たしています。
インプラントの耐久性は10年後で90〜95%と言われていて、適切なケアを行えば自分の歯のように長期間にわたって使用できます。
インプラントをすることで、自分の歯と変わらない見た目と使い心地を長い期間に渡り手にいれることができるというのがインプラントの最大のメリットです。
もちろん、メリットだけではありません。ブリッジと比較すると、次のようなデメリットがあります。
- 手術が必要
- 治療が終わるまでに数ヶ月の期間がかかる
- 保険適用ではないので費用が高い
これらはインプラント治療を実際に受けるときに気になる部分だと思います。
実際の費用や、どんな治療が必要なのか?などについて気になる方は、一度、お話だけでも聞きにいらしてください。
インプラントは、長期的な視点で見て、耐久性と健康的な口内環境の保持の面で優れた治療法です。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり