「なんだか最近、ブリッジがグラついてきた気がする」「噛むと少し浮くような感じがする」
そんな違和感に心当たりはありませんか?
ブリッジは見た目も噛む力も回復してくれる心強い治療法ですが、時間の経過とともに不具合が生じることもあります。その原因は、単なる接着の不具合だけでなく、ブリッジを支える歯や周囲の歯ぐきのトラブルにあるケースが少なくありません。
ここでは、ブリッジがグラつく・浮くといった症状が起こる原因や放置によるリスク、そして、「また壊れる」を繰り返さないための本質的な対策について、わかりやすくお伝えします。
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そのままにしておくとどうなる?
「まだ大丈夫」「ちょっと浮いてるだけだから」ブリッジの違和感をそうやって見過ごしてしまう方は少なくありません。しかし、放置することで状態は静かに、しかし確実に悪化していきます。ここでは、ブリッジのトラブルを放っておいた場合にどのように進行していくのか、段階を追ってご紹介します。
初期段階|支台歯への負担が積み重なる
ブリッジは、欠損している歯の両隣にある健康な歯(支台歯)を使って人工の歯を橋渡しする構造です。そのため、本来より少ない本数の歯で噛む力を支えることになり、支台歯には日常的に大きな負担がかかっています。
この状態で、虫歯や歯周病が進行していたり、歯ぐきが痩せて骨の支えが弱まっていると、ブリッジ全体の安定性が失われやすくなります。初期の段階では「なんとなくグラつくかも」「噛んだときに少し違和感がある」程度の症状で済むことが多く、見過ごされがちです。
中期段階|日常生活への影響が出始める
症状が進むと、ブリッジの揺れが大きくなり、噛みにくさや話しづらさなど、日常生活に支障をきたすようになります。浮き上がったすき間から細菌が侵入しやすくなり、支台歯や周囲の歯ぐきの炎症も進行しやすくなります。
この段階での対応が遅れると、治療の選択肢が限られてきます。
末期段階|支台歯を失い、再治療が難しくなる
さらに放置してしまうと、支台歯の保存が困難となり、抜歯に至るケースもあります。支台歯を失えば、同じ場所に再度ブリッジを設置することは難しくなり、インプラントや入れ歯など、より大きな治療が必要になります。
しかも、周囲の骨や歯ぐきにも影響が及んでいる場合、治療の範囲も拡大し、時間・費用ともに負担が大きくなることが避けられません。
違和感を感じたら、それが「タイミング」です
小さな違和感が、大きなトラブルの始まりであることも少なくありません。「様子を見る」のではなく、「今の状態を確認する」という行動が、ご自身の歯を守るための第一歩です。早めの受診が、未来の治療の選択肢を広げます。
応急処置ではなく、根本解決を考えるタイミング
ブリッジの不具合に対して、再接着や一時的な補修といった「その場しのぎ」の対応を繰り返していると、かえって症状を悪化させてしまうリスクがあります。特に、支台歯の状態がすでに悪くなっている場合、応急処置では追いつかない段階に進んでいる可能性があります。
ここでは、根本的な解決を考えるべきタイミングと、その代表的な治療選択肢についてご紹介します。
支台歯を抜歯した場合|インプラント治療という選択肢


支台歯が虫歯や歯周病で保存できない状態になった場合、抜歯が必要になります。その際、空いたスペースを埋める方法としては「インプラント治療」が現在の治療においては有効な選択肢です。
インプラントは人工歯根をあごの骨に直接埋め込むことで、周囲の歯に負担をかけずに単独で機能するからです。これにより、再び支えの歯に負荷が集中するような状況を防ぐことができ、長期的な安定が期待できます。
支台歯が弱っているが保存可能な場合|新しい設計のブリッジで再構築
もし支台歯がかろうじて保存可能である場合でも、従来と同じ設計のブリッジを再び装着するのは再発リスクがあります。このような場合には、噛み合わせや力の分散を考慮した新しい設計のブリッジを検討することが重要です。
例えば、噛むときに歯にかかる力を広く分散できる構造にしたり、金属素材からセラミック素材へ変更して衛生面や耐久性を向上させるといった工夫が、長持ちするブリッジへとつながります。
支台歯に繰り返し負担をかけたくない場合|部分入れ歯も視野に
「これ以上健康な歯に負担をかけたくない」という場合には、取り外し可能な部分入れ歯という選択肢もあります。固定式に比べると違和感がある場合もありますが、支台歯にかかる負担が少ない点では有利です。
最近では、装着感を高めた設計や、審美性を重視した素材なども選べるようになっており、患者さんの生活スタイルに合わせた柔軟な選択が可能です。
どの治療が最適かは、お口全体の状態や患者さんのご希望によって異なります。当院では、CT画像や咬合分析などをもとに、無理のない計画をご提案しています。「そろそろ応急処置では限界かも…」と感じた方は、一度、根本的な見直しを検討してみてください。
「なんか変」と思ったら、すぐにご相談を
ブリッジのグラつきや浮くような感覚は、単なるトラブルの前兆ではなく、口の中で起きている「変化」のサインです。その原因には、支台歯の劣化や歯ぐき・骨の状態の悪化など、見えない部分で進行している問題が潜んでいることも少なくありません。
こうした変化を放置してしまうと、再治療を繰り返すだけでなく、最終的に歯を失うリスクにもつながってしまいます。応急処置で済ませるのではなく、「今後同じことを繰り返さないためにはどうすべきか」という視点で、根本的な治療を検討することが大切です。
当院では、ブリッジの不具合に対しても、原因を丁寧に分析したうえで最適な治療方法をご提案しています。「なんとなくおかしい」と感じた時こそ、歯科に相談するタイミングです。将来の選択肢を狭めないためにも、早めの受診をおすすめします。
北村英二 院長について
「歯医者は怖い!」―子どもの頃、私もそう思っていました。説明もなく痛い治療はトラウマでした。だからこそ、北村総合歯科では、患者様の不安に寄り添い、丁寧な説明と痛みの少ない治療を大切にしています。
日本大学松戸歯学部卒業後、様々な歯科医院での経験を経て2021年に開業。インプラント治療はもちろん、虫歯や歯周病、予防歯科まで幅広く対応し、地域の皆様の歯の健康をサポート。「ここに来てよかった!」と思っていただけるよう、笑顔でお待ちしています。お気軽にご相談ください。
