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奥歯を3本失ったとき、どんな治療法がある?
奥歯を3本失った場合、「入れ歯にするべき?」「インプラントにすると高くなりそう…」といった不安を抱える方が多くいらっしゃいます。特に奥歯は噛む力を支える重要な役割を担っているため、早めに適切な治療を選ぶことが、将来のお口の健康に直結します。
現在、奥歯を複数本失った場合に選択される主な治療法は以下の2つです。


これらの治療法はどちらも広く行われているものですが、それぞれに特徴や適しているケースがあり、患者さまの状態や希望によって最適な選択は異なります。
ここでは、それぞれの治療法のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
部分入れ歯を選ぶときに知っておきたい注意点

部分入れ歯は、比較的費用を抑えながら歯の機能を補える治療法として、多くの方に選ばれています。保険診療でも対応できる場合があり、治療期間も短く済むことが特徴です。
しかし、実際に使ってみると次のような悩みや問題が出てくることもあります。
バネによる健康な歯への負担
部分入れ歯は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定する構造になっています。これにより、バネをかけた健康な歯に力がかかりすぎてしまい、将来的にぐらつきや痛みが出るリスクがあります。
違和感や見た目の問題
また、装着時に違和感があったり、食事中に外れそうになる不安があるといった声も少なくありません。また、バネが見えることで見た目が気になるという方もいらっしゃいます。
こうした点から、部分入れ歯を選ぶ際には「健康な歯を守る」こと「快適に使い続けられるか」という観点も重要です。
インプラントの特徴と注意点

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法です。自分の歯のようにしっかり噛めて、見た目も自然な仕上がりになるため、多くの方が「できればインプラントにしたい」と考えています。
しかし、奥歯を3本すべてインプラントに置き換えるとなると、いくつかの課題も出てきます。
高額になりやすい
インプラント治療は保険が適用されない自由診療であるため、1本あたりの治療費が高額になる傾向があります(1本あたり約30〜50万円)。そのため、3本全てをインプラントにするとなると、費用面で大きな負担を感じる方も少なくありません。
外科手術への不安
インプラント治療では、外科手術が必要です。「体にメスを入れるのが怖い」「年齢的に体力に不安がある」と感じる方にとっては、心理的なハードルになる場合もあります。
このように、インプラントは魅力的な治療法である一方で、すべての方にとって最適とは限らないのが現実です。
そこで3つ目の選択肢としてご紹介するのが、インプラントと入れ歯の「いいとこ取り」とも言える治療法です。
第3の選択肢|インプラントオーバーデンチャー

「部分入れ歯は違和感がある。でも、すべてをインプラントにするのは難しい…」
そんなお悩みに応える選択肢が、インプラントオーバーデンチャーです。
これは、例えば3本の歯を失った場合、1本だけインプラントを入れて、それを支えに3本の人工歯を固定する治療法です。インプラントと入れ歯の「良いとこ取り」ともいえるこの治療法は、機能性・安定感・費用のバランスに優れています。
インプラントオーバーデンチャー3つの特徴
1. 少ない本数のインプラントで入れ歯をしっかり固定
奥歯を3本失っている場合でも、1本インプラントを埋めるだけで、入れ歯を安定させることができるので、従来の部分入れ歯に比べてズレにくく、しっかり噛めるようになります。
2. 費用と機能のバランスがとれた治療法
インプラントの本数を最小限に抑えるため、費用面でも比較的現実的な治療が可能です。それでいて、見た目や装着感も大きく向上するため、「今までの入れ歯に不満があった」という方にも選ばれています。
3. 健康な歯を守れる
この治療法では、残っている健康な歯にバネをかける必要がないため、健康な歯への負担を抑えることができます。インプラントを埋め込む場所を真ん中ではなく、健康な歯の隣に配置することで、さらに健康な歯への負担を減らすことも可能です。
部分入れ歯・インプラントで迷ったらまずはご相談
「入れ歯とインプラント、どちらが自分に合っているのか分からない」
「費用や手術のことが心配で、なかなか一歩を踏み出せない」
そう感じている方は、まずは北村総合歯科にご相談ください。
当院では、カウンセリングと精密検査を通じて、患者さまのお口の状態を正確に把握したうえで、無理のない・納得できる治療プランをご提案しています。治療法にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、「どれが一番良いか」ではなく、「どれがあなたに合っているか」を一緒に考えていきましょう。
相談だけでも大丈夫です。まずは気になることや不安な点、治療に対するご希望をお聞かせください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり