「長年使っていたブリッジが外れた」
「支えの歯が虫歯や歯周病でダメになってしまった」
こうした理由で、ブリッジの再治療を検討されている方は多いのではないでしょうか。
ブリッジは失った歯の機能を補う治療法として広く用いられていますが、 支えとなる歯に負担がかかるため、一定の期間を過ぎると再治療が必要になることの多い治療です。
ブリッジがダメになったしまったとき、その後どの治療を選択するかが、将来の歯の健康に大きな影響を与えます。今後も長く自分の歯を守るために、治療の選択肢についてしっかり考えていきましょう。
Contents
なぜブリッジは長持ちしないのか?

ブリッジは、失った歯の両隣にある 健康な歯を支えにして橋渡しすることで噛む機能を補う治療法です。支えとなる歯に負担がかかるという特性上、長期間使用することでさまざまな問題が生じることがあります。
例えば、奥歯を1本失った場合・・・
よくある例として、奥歯を1本失った場合を考えてみましょう。

ブリッジには歯根がありません。そのため、噛む力は両隣の2本に集中します。そうすると、単純計算で3本分の噛む力を2本の歯で支えることになるため、通常の1.5倍の負担を2本の歯が常に負い続けることになります。奥歯は、特に噛む力が強くかかる部位なので、支えの歯へのダメージも大きいのです。
- 支えの歯に噛む力の負担が増し、歯がすり減ることで噛み合わせのバランスが崩れる。
- 大きな負担により支えの歯が虫歯や歯周病になりやすくなる。
- 大きな負担によって、支えの歯が折れてしまうことも。
このように、 ブリッジは一見安定しているように見えても、支えの歯に負担をかけ続ける治療のため、長く使い続けるのが難しい治療です。
ブリッジを続けた場合、将来的にどうなる?
ブリッジは、 短期間で歯を補うことができる便利な治療法ですが、長期的に見ると支えの歯への負担が大きいことがわかりました。
この負担は、将来的にさらなる歯の喪失につながるリスクがあります。例えば、ブリッジをしている患者さんが歯を失う典型的な流れは・・・
- 奥歯をブリッジにする
- 支えの歯に過剰な負担がかかり、虫歯や歯周病になる
- 虫歯や歯周病が進行し支えの歯が抜ける
- ブリッジが維持できず、部分入れ歯に変更する
- 部分入れ歯では強く噛めないため、残された歯への負担が増える
- 負担の大きい歯がダメになり、より大きな入れ歯へと変更する
- 最終的に総入れ歯になる可能性が高まる
このような流れで、奥歯が1本抜けることで連鎖的に他の歯も抜けていき、最終的に総入れ歯になるというのが典型的なケースです。
初めてブリッジを入れるときは、「簡単な治療で済む」「すぐに噛めるようになる」といったメリットで始める方が多いのですが、その将来のことまであまり説明されずに治療をしてしまう方も少なくありません。
当院では、歯が抜けてしまった患者さんには、基本的にブリッジよりも将来性のあるインプラントをおすすめしています。
ブリッジとインプラントとの比較

インプラント治療とは、歯を失った部分のあごの骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。
それぞれの特徴を比較しながら、ブリッジとインプラントの違いを見ていきましょう。
ブリッジとインプラントの比較表
比較項目 | ブリッジ(再治療) | インプラント |
---|---|---|
健康な歯への影響 | 両隣の健康な歯を削る必要がある | 周囲の歯を削らず、単独で機能する |
噛む力 | 支えの歯に負担がかかり、寿命が短くなる | 天然歯に近い噛む力を維持できる |
耐久性 | 7〜10年で再治療が必要になることが多い | 適切なケアで10年以上使える |
審美性 | 自然な見た目だが、支えの歯が変色すると目立つことがある | 天然歯と同じような見た目を維持できる |
あごの骨への影響 | 失った歯の部分の骨が徐々に痩せる | 骨に直接固定されるため、骨の維持を助ける |
治療期間 | 短い(数週間で完了) | 長い(数ヶ月かかることがある) |
手術の必要性 | 不要 | 手術が必要 |
費用 | 保険適用で比較的安価 | 自費診療のため高額になることが多い |
インプラントは、費用が高く、外科手術が必要なため治療期間が長いというデメリットはありますが、将来的なことを考えると残された健康な歯を守る最適な治療と言えます。
インプラントに関するより詳しいことをお知りになりたい方は下記もご覧になってみてください。
「今、どの治療を選ぶか」が将来の歯の健康を決める
ブリッジがダメになったとき、どの治療を選ぶかは、将来の歯の健康に大きく影響します。短期間のメリットだけでなく、10年後・20年後も健康な歯を維持できる選択をすることが重要です。
北村総合歯科では、できるだけ再治療の少ない、長期的に安定した治療を提供することを大切にしています。
ブリッジがダメになってしまい、再治療をご検討されている方は、インプラントを含めた最適な治療法について詳しくお話させていただきますので、お気軽にご相談ください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり